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2023.05.28 - 100kmウォーク

第2回関西エクストリームウォーク100 (2023.5.27) 回顧録

 2023/5/27~28 に開催された第2回関西エクストリームウォーク100 に参加してきましたのでご報告。

 

■ 100km 歩行あれこれ

 ネットで「100km」とググってみると、100kmウォークや100kmマラソンの大会がいろいろと出てきます。100kmウォークの大会は。国内では都会・地方を問わず各地で開催されているようです。地方の大会開催は地域振興の一環としての意味合いもあると思います。

 各地で行われるようになった 100km 歩行ですが、最も長い歴史を持つのは清風学園が毎年3月に校内行事として開催している「100km歩行」ではないでしょうか。大阪上本町~泉ケ丘~蔵王峠~妙寺~高野下~高野山奥の院の約 100km(正確な距離は年度にもよりますが 92~98km くらいです)を徹夜で 30 時間かけて踏破するコースで、県境の峠を超えてから標高約 800m の高野山を登るコース、蔵王峠での体感温度は 0℃近くになることから体温調整が難しいことを考慮すると、制限時間は長めですがその難易度はそこらへんの100km歩行よりも高めかと思います(そういうこともあって、少なくとも昼間1回、夜間1回ずつ 20km 超の歩行訓練に参加することが 100km 歩行の参加条件とされています)。

 かくいう私も 100km 歩行の完歩達成者で、学校行事に参加した経験から長距離歩行のノウハウもある程度は持ち合わせていたことから、ネットでふと Xtreme Walk のサイトを見かけて参加したくなりました。朝日新聞社主催なので、たぶん運営は大丈夫でしょう。その一方で 100km もの距離を歩き切ることの大変さも経験として知っておりましたので、今回は 40km 部門 ビギナーズクラスでエントリーです。

 おそらく 40km 部門は「将来 100km 挑戦を考えている入門者向け」という位置付けだと思うのですが、いざ蓋を開けてみたところ 40km 完歩することは当たり前で最初からタイムアタックを狙っていた酔狂な参加者も(私も含めて)数人いたようです (^^;

 

■ 目標設定

 大会エントリーの手続きをしてから、大会の雰囲気ってどんなものなんだろうかと Xtreme Walk の Instagram を覗いてみたのですが最初に思ったのは

 「なんやこれ、アスリート装備の参加者ばっかりやないか……」

参加者のみなさん、スポーツウェア各社が出しているウェアやシューズに全身を包んでいて、ウォーキングポールを使っている方も結構います。私、大の運動音痴でスポーツもジョギングもしない人間で、そんなんだからスポーツウェアは一着も持っていないんですけど。

 そんな私ですが、運動面(?)で唯一アドバンテージがあるとすれば、歩くスピードがとにかく速いこと。大阪地下鉄の一駅区間はだいたい 1km くらいですが、10 分あれば歩き切れます。なおかつ、そのペースで 5km、10km くらいは平気で歩けます(おかげさまで、みんポケマップで個体値 100% の野生ポケモン通知が来たときにはこの足が大変重宝いたします)。

 となれば、です。ここはひとつ「エクストリームウォークって何ですか?」的な感じの長距離ウォーク未経験者スタイルで 40km をねじ伏せることにいたしましょう。ふだん街中を歩くときの服装とリュック、靴も普段使いの革靴で。

 今回参加する関西エクストリームウォーク100 の目標は次の通りに設定しました。

 とくと見るがよい、快速街歩きウォーカーの実力を。

  • アスリート装備なし、普段の街歩き装備で 40km 部門に挑戦

  • 目標踏破タイムは7時間以内(1km 10分ペース+20分の途中休憩)

 なお、本番に先立ちリハーサルとして自主的に歩行訓練を行ってトレーニングと課題点の洗い出しを行っております。コースは大阪府内から奈良までの暗峠奈良街道を辿るコース約 22km で、途中で暗峠と榁木峠の2回の山越えを挟みます。6時間を切るタイムで踏破したので、本番も同じような装備で大丈夫だと判断した訳ですが……(本番を踏まえた結論としては、革靴は避けた方がよかったです)

 

■ 大会コース

 

■ いざ関西エクストリームウォーク本番

 第2回関西エクストリームウォーク100 のスタート地点は姫路公園(姫路城)で、40km 部門のゴールは明石公園(明石城跡)です。現地来場推奨時刻は朝8時ということで現地に前泊しておりましたが、ホテルの朝食を食べに行きますと、やはりというべきかゼッケンを付けた参加者さんがちらほらと。まぁ、他の参加者のみなさんも当然のように前泊しますよね。

 かくいう私は、関西エクストリームウォークに参加する雰囲気を微塵にも出さずに朝食をモグモグ。ホテルをチェックアウトして、これから姫路市内の街歩きをしますよと思わせておいて、そのままズカズカとスタート会場に突入するという。えぇ、ゼッケンを付けたのはスタート会場に着いてからです。その後、参加賞のワセリンを貰ってスタート地点集合まで待機。

 40km 部門は9時出発なのですが、参加者が 500 名と多いので 50 人ずつ3分間隔で順次スタートします。

  • Dゼッケン 9:00, 9:03, 9:06, 9:09, 9:12
  • Eゼッケン 9:15, 9:18, 9:21, 9:24, 9:27

 事前の計画ではスタート早々に集団から飛び出す目論見だったのですが (^^; 私は運悪く?第2集団の最後尾に区分けされてのスタートとなりました。そういうわけでスタート直後は集団最後尾で大人しくしていたのですが、集団が徐々に縦長になってくると本性をむき出しにしまして (^-^; 一気にペースアップ。第2集団はもちろん3分前にスタートした第1集団の参加者をも次々に抜き去り、最初の 10km で私の前方視界からビギナーズクラスの参加者がいなくなりました。うん、まぁこのくらいは序の口だ。

 その代わりに見えるようなったのは、紫色のCゼッケンとかBゼッケンをつけた参加者の人たち。えーと、どういうことかというと

  • Aゼッケン(100km 部門 チャレンジクラス) 7:45, 7:48, 7:51, 7:54
  • Bゼッケン(100km 部門 チャレンジクラス) 8:00, 8:03, 8:06, 8:09, 8:12
  • Cゼッケン(100km 部門 チャレンジクラス) 8:15, 8:18, 8:21, 8:24, 8:27
  • Dゼッケン(40km 部門 ビギナーズクラス) 9:00, 9:03, 9:06, 9:09, 9:12
  • Eゼッケン(40km 部門 ビギナーズクラス) 9:15, 9:18, 9:21, 9:24, 9:27
  • Fゼッケン(100km 部門 エキスパートクラス) 9:30, 9:33

 30分~1時間以上も前にスタートした 100km 部門の人たちが、目の前にゾロゾロいる。

 こういう状況になりますと、私の性分的にエンジン全開になります。

 ごぼう抜き。遠慮することなくごぼう抜き。

 加古川を渡って第1チェックポイントの鶴林寺公園 (18km地点) に到着するまでの所要時間は2時間40分余り。平均時速に換算して 6.7km/h。うん、まぁ実力通りだね。休憩所ではペットボトルの水だけ貰って、持参したナッツを昼食代わりにかじり、両足のストレッチを済ませたら10分程度でチェックポイント出発です。私にとっての目標は 40km 完歩ではなくタイムアタックなので。

 その後も快調に飛ばし続けてきた私にも、東二見を過ぎて海岸沿いの道路に出たあたりから足に異変が。足の付け根付近の筋肉にダメージが出始め、足裏にマメが出来そうな感覚もハッキリ分かる状態に。もし今回歩く距離が 100km であれば入念に足のケアをした上でペースダウンするべきなのですが、私の選択は「コースを最後まで攻め切る」でした。ゴールまで歩き切る脚力は十分残っていると判断できたので、マメの痛みさえ無かったことにすればなんとかなると。

 第二チェックポイント(40km 部門のゴール地点)までの 10km 余りの距離は右手に瀬戸内海を眺めながら進むコースで、「(信号待ちが無いので止まらずに歩き続けられる)時間を稼ぐコース」らしいのですが、単調な風景が延々と続くので「いくら歩いても明石海峡大橋との距離感が変わらず、明石公園に辿り着く気配もしない」という一面もあります。そこが個人的には一番しんどかったことでしょうか。

 コース後半はさすがに前半よりも歩くペースが落ち、このあたりを先行して歩いている人たちもそれなりの脚力のある方々ばかりなので追い抜く人数も減りましたが、他参加者を追い抜き続けるペースを最後まで維持したまま明石公園のゴールに辿り着きました。

 踏破タイムは6時間30分台。

 状態さえよければ6時間半切りを狙えたかもしれませんが、目標の7時間切りは達成できたので良しとしましょう。

 ゴールインしてから運営の方に「ビギナーズクラスでゴールしたの何人目ですか?」と尋ねたら、3人目とのこと。ウェーブスタートなので到着順位イコール踏破タイムの順位にはなりませんが、おそらくビギナーズクラスの踏破タイムベスト 10 には入っていると思います。

 

■ 真の Xtreme Walker

 本番の 40km を歩き切った感想ですが、いやー、実に充実した 40km でした。

 やっぱり、他の参加者をまとめてごぼう抜きするのは楽しいです。ごぼう抜きするの大好き。だから早歩きしちゃう。

 追い抜き際に、後ろから「マジか」というお言葉を3回ほど頂きました。そりゃそうですよね、まさか自分より 30 分以上も後でスタートした「ビギナーズ」に追い抜かれされるなんて想像外でしょう。

 たぶん、先行してスタートしたチャレンジクラス参加者のうち 300 人くらいは追い抜いていたと思います。

 逆に、私が追い抜かされたのは把握している限り3人だけです(ひょっとすると私がコンビニに寄り道している最中に追い抜いた人がいるかもしれませんが)。そのうちの1人は、同じビギナーズクラスの参加者の方。まぁ、これは仕方ない。残りの2人は、私よりも 30 分以上後でスタートしたはずの 100km 部門の方です。1人は東二見付近で、もう1人は住吉公園手前で。

 そう、Fゼッケンのエキスパートクラスです。恐怖の虹色 Fゼッケン。

 そのエキスパートな方々ですが、どちらも見た目アスリートという感じではなかったです。おそらくどちらも私より年上の方だと思いますが、たぶん見た目だけでは 100km を楽々と捻じ伏せにくるなんて想像もできません。

 でも、そのFゼッケンの方々って、明らかに足音が違うんですよ。後ろからスタスタと忍び寄る足音がハッキリと分かる(恐怖)

 ヤバい。これは間違いなく抜かれてしまう、と思っているうちに案の上追い抜かれる。そして、追い抜かれたら最後、絶対に追い付けない。時速換算して 7km/h は出ていると思います。下手すると 8km/h 近く。そんなん、絶対追い付かれへんやん。

 それでいて、体感温度 30℃近くにもなろう天候にも関わらず、実に涼しげな顔をして歩いていらっしゃる。こっちは汗流してガブガブと水分補給しながら歩いているのに。いやもうね、形容する言葉が「バグっている」しか思いつきません。こっちの歩くペースもたいがい「狂っている」のですが、その私をして「いや絶対何かの間違いやん」って思わせるくらいの歩きっぷりでした。

 でもそれが、真の Xtreme Walker と呼ぶべき存在なのでしょう。いくら努力しても、追い付けそうに思えない存在。

 

■ 反省点

 100km はもちろん、40km の距離であってもぶっつけ本番だけの努力だけではどうにもならないことはあって、現実にモノを言うのは事前の準備です。大切なのは、努力ではなく準備すること。しかし、現実には相応の準備をしたつもりであってもいざ本番になって問題が起きてしまう訳ですが。

 第2回関西エクストリームウォーク100 当日の姫路・明石の最高気温は 24~25℃ で、これは熱中症の危険もあり得る気温です。そういうことで運営からも十分な水分補給をするように呼びかけがありましたし、私も事前に想定していたところです。しかし、実際に歩いてみると予想以上に汗をかいてしまい、2回ほどコンビニでポカリスエットを買う破目になりました。もっとも、それでも水分・ミネラルの補給は足りていなかったらしく、ゴール後の休息中に両足のふくらはぎがつってしまいした(ギャー)。

 以下、事前準備の良かった点。

  • 服装は長袖・フルレングスで。肌の露出が多い服装だと体温調整が難しいし、熱中症になるリスクも上がる。
  • 直射日光対策として、帽子も必須アイテム。
  • 肌が露出している部分には日焼け止めをしっかり塗る。顔や腕だけでなく、首肩周りも忘れずに。
  • コース経路の周辺については事前に情報収集すること。特に、明石市内の海岸沿い区間は飲料調達が困難。 (そういう意味でファミマ 明石明神幹線二見店明石東二見店の二店舗は非常に重要で、ここを逃すと明石公園まで飲料難民になります!)

 主な反省点は、

  • 足裏のマメ対策として 10km ごとにソックスを履き替える対策は過去の 100km 歩行では当たったが、今回は役に立たず。やはり、革靴は通気性が悪いので避けるべきか。使用する靴とソックスは見直したい。
  • 汗をかいたときの塩分不足はスポーツドリンクだけでは補えないので、塩分タブレットの準備が必要。
  • 20km 超の距離を持続的に歩き続けられる歩行ペースの模索が必要。前半のオーバーペースが後半に響いたのかも。

 他にも反省点は色々とあるのですが、現状 100km にチェレンジするにはまだまだ準備不足ということが分かりましたので、100km 部門に参戦するのであれば課題をクリアしてからになりそうです。

 あと、参加賞で頂いたワセリン。使ったことがないのですが、きっと長距離ウォークの必需品だと思いますので使い道を調べないと。

 

■ 後日談

 ゴールで1時間近く休憩した後で帰路についたのですが、思うように足が動きません。ゴールするまでは何もなかったかのように歩いていたのに、歩き終わった途端にヨタヨタ歩きになってしまうのはなんででしょうね。

 自分が1時間以上も前に追い抜いた参加者の方々が明石公園に入ってくるのを眺めながら、自分はヨタヨタの足で会場を後にするという。おい、少し前までとはまるで立場が逆じゃねぇか。

 帰宅してからは、出発前に作り置きしておいた鶏肉とブロッコリーを食べつつ、足の筋肉のストレッチをして回復につとめておりました。足裏にできた特大のマメは、母校直伝の方法で応急処置。

  • 用意するもの:ヨードチンキ、消毒用エタノール、短めの縫い針、太めの糸、糸通し器、糸切りバサミ

  • 縫い針に糸を通して、糸の両端が針の穴から同じ長さになるようにしておく。

  • 針を通した糸を二重にして、全体的にヨードチンキに漬ける。針自体もエタノールで全体的に消毒。

  • その針と糸で、マメを縫う。1箇所糸を通せば OK。

  • 糸を通したら、針の穴近くで糸を切って、糸から針を切り離す。これで、マメに2本の糸が通っている状態になるはず。

  • 糸が長すぎる場合は適当に切って長さを調整。1~2センチずつくらい出ていれば十分でしょう。

 この方法は、歩いている途中の応急処置としても使えます。歩いていると、足裏に加わる圧力で自然とマメから水分が抜けていくという寸法です。

 化膿防止に万全を期すのであれば、その上からマメ全体にソンバーユを塗って滅菌ガーゼを当てておけば大丈夫でしょう。あまり知られていませんが、ソンバーユは万能の皮膚薬で、切り傷にも火傷にも何にでも使えます。

 これで週明けの月曜日から歩いて出勤できそうですが、今度は以前から凝っている腰回りの筋肉が痛くなり出しております。1日遅れで筋肉痛に襲われるのかよ、勘弁してくれー(うぎゃー)