6BM8 3-Stage Differential Amplifier
本アンプは、貸出利用することを前提として 2019 ~ 2020 年にかけて設計・製作した真空管アンプです。ドキュメントの内容は、2020年8月に書いた内容をそのまま転載してあります。
【 もくじ 】
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真空管未挿入時の電圧検証
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出力段DCバランス検証
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ドライバ段12AU7変更
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初段DCバランス検証
■ 特性まとめ
L-ch | R-ch | ||
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裸利得 (Raw Gain) | 42.37 | 46.73 | @ 1KHz, 1V, 8Ω |
最終利得 (Gain) | 15.87 | 16.13 | @ 1KHz, 1V, 8Ω |
負帰還量 (NFB) | 8.53 dB | 9.24 dB | @ 1KHz, 1V, 8Ω |
周波数特性 (Frequency Response) | 10Hz ~ 89KHz | 10Hz ~ 87KHz | +0dB ~ -1dB (0dB = 1V, 8Ω) |
10Hz ~ 146KHz | 10Hz ~ 160KHz | +0dB ~ -3dB (0dB = 1V, 8Ω) | |
クロストーク (Closs Talk) | -67 dB | -72 dB | 10Hz ~ 22KHz (0dB = 2V, 8Ω) |
ダンピング・ファクター (Damping Factor) | 6.7 | 6.7 | @ 1kHz, 1V, 8Ω |
歪み率 (THD+N) | 0.07 | — | @ 1KHz, 0.1W |
0.36 | — | @ 1KHz, 1.0W | |
1.32 | — | @ 1KHz, 2.0W | |
最大出力 | 2.6 W | — | @ 1KHz, 8Ω, 5% 歪み |
残留雑音 (Noise) | 0.18mV | 0.08mV | |
全消費電力 | 62W (67VA) | — | |
筐体内温度 | 52℃ | — | @ 室温 33℃ |
■ 周波数特性
本機の周波数特性は無帰還で 10 Hz ~ 73 kHz (-3dB)、負帰還 8.5dB で 10 Hz ~ 146 kHz (-3dB) でした。初段・ドライバ段の組み合わせが近い3段構成ベーシックアンプと似たような傾向が出ています。FE-25-8 の高域特性は流石というべきで、100kHz 以上の帯域は素直な減衰特性となっておりピークらしいピークはありません。
■ クロストーク
本機の可聴帯域 (20Hz ~ 20kHz) におけるクロストーク特性は 67dB で、ベーシックアンプの目標値である 70dB には届きませんでした。第一に原因として考えられそうなのは真空管のレイアウトで、初段 ~ ドライバ段 の配線が長いこと、ドライバ段 ~ 出力段にかけて左右チャネルの配線が接近していることが影響しているようです。
これまでに全段差動アンプは3台ほど製作した経験がありますが、初段 ~ ドライバ段 ~ 出力段をシャーシの左右に分けて配置し、各段を結ぶ配線もコンパクトに実装されたアンプでは 10kHz ~ 100kHz の帯域でもクロストークが悪化しない傾向があり、 ベーシックアンプのクロストークが非常に良好なのもその要因によるところが大きいのではないかと思います。
■ 歪み率
全段差動プッシュプルの特徴である弓なりに近い特性となっています。各周波数のグラフも比較的揃っています。
(測定環境)Windows 10 Pro, WaveSpectra 1.51, USB Audio Device 96kHz 24bit, WASAPI Driver